001

自然、社会、
人の調和を実践、
企業のあり方を示す
ハーモニスト。

宝酒造株式会社

●〒600-8688 京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾町20
 お客様相談室 TEL:075・241・5111

宝酒造は「自然と社会と人間との調和」を企業理念として掲げ、自然環境と共生する企業のあり方を求めてきた。天保13(一八四二)年、酒づくりを始めて以来、独自の開発力とマーケティング力に磨きをかけ、天然の発酵技術を応用した焼酎、清酒、ワイン、調味料など種々の商品で、時代と共に変化する消費者嗜好に応え続ける。焼酎をファッショナブルな飲み物に変えた「タカラcanチューハイ」、特定保健用食品「カルシウムパーラー」などの商品や、医療、医薬品、食品、ヘルスケアなどのバイオ技術の開発、TaKaRaブランドはライフスタイルを刷新し、また人の健康生活にも大きく貢献している。
宝は田から…自然から得る恵みを活用しての企業活動だからこそ、環境に対する思いも強い。私たちの記憶に新しい、カムバック・サーモンキャンペーン、TaKaRaクリーンcanウォーキング、またリターナブルボトルを採用し、ボトルの回収再利用で浮いた経費を環境保全運動への支援に当てるリサイクルと自然保護を融合させたエコロジー活動は、そんな宝酒造の大きな柱だ。またその企業姿勢を示すものに『緑字決算報告』がある。企業活動の環境への影響を削減していく成果を緑字ととらえ、〈環境負荷の削減〉と、環境保護などの〈社会貢献〉というふたつの指標から、自然より得たものをまた自然へ還元しようとする取り組みである。工場廃棄物の削減、素材のリサイクル化、省エネの推進などの自社努力を行う一方で、自然保護活動や環境啓発活動を積極的に展開している。さらにお酒と人、社会とのかかわり方に対し、いい関係を考えるTaKaRa酒生活文化研究所の設置、SAY NO運動など、さまざまなジャンルで自然と社会と人の調和を実践している。
おいしく、楽しく、健康的で安らぎ感がある、時代のニーズに合った商品とこれらの活動は、すべて自然の恵みを守り育てながら、商品を通じて人々と喜びを分かち合うという、宝酒造の明確なコンセプトの現れである。

009

002

京女の美意識と
知恵が
生み育てた
「はんなりずむ」

よーじや

●新京極本店 〒604-8042 京都市中京区新京極花遊小路 TEL:075・221・4626
●祇園店 〒605-0073 京都市東山区祇園四条花見小路東北角 TEL:075・541・0177
●先斗町店 〒604-8015 京都市中京区先斗町四条上ル TEL:075・221・4919
●三条店 〒604-8082 京都市中京区三条通麩屋町東北角 TEL:075・221・4891
●嵯峨野嵐山店 〒616-8375 京都市右京区嵯峨天龍寺立石町 TEL:075・865・2212
●京都ホテル店 〒604-8558 京都市中京区河原町御池・京都ホテル2F TEL:075・254・2010
●清水産寧坂店 〒605-0862 京都市東山区清水3丁目334(産寧坂下・青龍苑内) TEL:075・532・5757
●U.S.A.CA.トーランス店 1316 Sartori Avenue Torrance CA90501 U.S.A. TEL:310・328・6622
●よーじや通販 〒604-8691 京都市中京区中京郵便局私書箱35号 TEL:075・221・4891
●インターネットショッピング http://www.yojiya.co.jp

よーじやの創業は一九〇四(明治37)年、それまでは化粧雑貨を大八車に積んで売り歩いていた先々代が京の町なか、六角御幸町あたりに店を構えたことに始まる。看板商品の「あぶらとり紙」の誕生は大正時代。口コミによって徐々に広まり、現在では京都ブランドとしてファッション誌などで紹介されたこともあり、一気に人気が過熱した。
京都はもともと伝統工芸のさかんな土地柄。「あぶらとり紙」の材料は金箔を打ちのばす時につかう和紙で、古来より上流社会の女性や粋人に珍重されてきたもの。何度も叩くことによって紙の繊維を活性化して、抜群の吸収力をもつ肌にやさしい「あぶらとり紙」ができあがる。花街の女性や役者さん、化粧のくずれを気にする女性たちには必需品だったのだろう。『よーじやのあぶらとり紙』の愛用者は全国に広がっていった。京都で生まれ育ったのだから、まず京都の女性、京都を訪れてくださる女性に満足してもらいたい、販路を広げることよりも、いい品をつくることだけにこだわり続けた。それがいつしか「京都でしか買えない」という付加価値となる。そこには手すきによる特殊和紙を厳選して使用するなど、目に見えない、しかし使う人にははっきりと違いがわかる商品の力があったのはいうまでもない。いまでは「あぶらとり紙」をはじめ、女性本来の素肌美をいかすスキンケア、メイクアップ用の美粧品を取り揃え、京都市内に7店舗、U.S.A.CA.トーランスに1店舗を構え、全国からの愛用者の要望に答え、インターネットでの販売、通信販売も行っている。
艶やかで、やさしく、つつましく、それでいて花のように…古くてなお新しい京都の「はんなりずむ」にこだわるよーじやの商品は、昔も今も多くの女性たちを魅了している。

写真1:あぶらとり紙、えんむすび
写真2:昭和25年~45年当時のあぶらとり紙(参考商品)
写真3:通販カタログと現在のよーじや美粧品の一例
写真4:昭和22年頃の演劇用の美粧品(参考商品)

013

003

京都を見切ったとき
京都初の
シルバー・ショップは
生まれた

京小間物匠 有限会社中野商店 プティ・ミミ

●工房
 〒604-0813
 京都市中京区間之町通二条上る夷町582
 TEL:075・255・5980/FAX:075・255・5985
●ショップ プティ・ミミ
 〒604-8091
 京都市中京区河原町御池 ゼスト御池
 TEL:075・253・3141
●エムズコレクション
 〒604-8091
 京都市中京区河原町御池 ゼスト御池
 TEL:075・253・3114

もともとは小間物問屋を営んでいた。明治30年の創業で現主人は3代目。「京都では一〇〇年では老舗とは言えない」やはりそうおっしゃる。当時京小間物といえば全国に販路を持っていた。櫛、簪、帯留め…優秀な職人が集まり、羽振りはよかった。しかし、戦後和服を着る人が減少するとともに需要は減っていく。小間物はアクセサリーに変わり、京都では職人が優秀なだけにその技は伝統工芸として珍重されこそすれ、東京や大阪の安価なものに市場を奪われていく。伝統というものに縛られて新しいものが生まれない。中野商店は一時休業、主人は外資系サラリーマンを経て東京へ修行に出た。60年代、高度成長を目前にした東京、下町は活気にあふれていた。そこで見たものは親方のためならひと肌脱ごうという職人たちの情、飾り職人と香久師が混在する奇妙な世界。そして若いアイデアがどんどん歓迎される、なんでもできそうな可能性。中野さんはそこで独自のスタイルを見つけだす。それは合理性をもった本物の職人技。職人の仕事は分業制だ。今までの慣習を破り、部分だけをつくるのではなく、全部自分でつくる。つくったものは自分で売る。ヨーロッパの工房に学んだ新しいスタイルを取り入れた。そしてつまらない作業は手づくりにこだわらず、どんどん機械化する。工房をつくり、海外から資料を取り寄せ研究し、自分でキャスティングマシンをつくりあげた。それは手間暇をかけないということではなく、本当に必要な部分に力を入れられるようにと考案された、職人が職人でいるための機械化だった。京都初、全国でも数店しかなかった銀の専門店「プティ・ミミ」はこうして誕生した。大量生産が目的ではない。売れたぶんだけつくる。売れ筋にこだわらず、本筋をつくり続ける。決して高くない、決して安物ではない」オリジナルをめざす。長くやってると波は何度か巡ってくる、というその鷹揚さも京都らしい。

写真1
銀・翼シリーズ
(ペンダント、イヤリング、リング)
写真2
昔ながらの
銀の簪[かんざし]、帯留め
写真3
モダンな銀の
バイオリンブローチ、
サソリのネックレス、
香水入ペンダント

015

004

「機械」は
デザインによって
もっと人に
やさしくなる

ホリゾン・インターナショナル株式会社

●本社
 〒520-1501
 滋賀県高島郡新旭町大字旭字城ノ下1601
 TEL:0740・25・2002(代)/FAX:0740・25・3499
●京都営業所
 〒601-8206
 京都市南区久世大薮町510
 TEL:075・934・6700/FAX:075・934・6708
 http://www.horizon.co.jp

一九四五年、電気器具の試作、修理を業として創業。一九七三年、世界的な発明である卓上製本機を開発し、紙を処理する総合メーカーとしてスタートを切る。日本では90%、海外でも60%のシェアをもつ、印刷製本業界では抜群の知名度を持つ世界のリーディングカンパニーである。情報化に伴って、印刷メディアもめざましい発展を遂げた、その影の功労者でもある。
いま、印刷業界も大量印刷からパーソナルな印刷へと変化している。オンデマンドなら、オンラインでそのまま本ができてしまう時代である。専門技術で工場の中にあった製本機もオフィスへと進出し、製本の技術や知識がなくても操作できるものでなくてはならなくなった。操作性はもちろん、機械の外観も無視できない。ユニバーサルデザインの観点からも「人にやさしいデザイン」は不可欠になっている。外観だけでなく、安全性、操作性、コストパフォーマンス、すべてがデザインである。そこでインハウスのデザイン部門ドキュメンツを発足させ、製品のデザインから操作パネル、製品に添付するシール、製品マニュアルなど細部に至るまで独自のデザインを加えている。ここ、ホリゾンでは開発からプラスティック成型品などの部品、生産にいたるまですべて自社設備で行っているため、トータルなデザイニングが可能だ。だからこそインハウスのデザイナーと設計者のコミュニケーションが生きてくる。営業マンが持つ顧客ニーズも必要な情報だ。設計、営業、さまざまな部門と連携しながらデザインを加えていくドキュメンツ部門の果たす役割はますます大きくなっていく。ホリゾン・インターナショナルはメディア時代に即した業界のニーズに答えながら、今まで顧みられることの少なかった「機械のデザイン性能」を求め、これからの機械のあるべきかたちを追求していく。

写真1
中綴じ折製本システム

018

005

職人の誇りが、
本物を
伝え残す

有職畳・数寄屋畳・コルタ畳
磯垣タタミ

●〒603-8152 京都市北区鞍馬口通烏丸西入
 TEL:075・441・6500/FAX:075・441・6500

発砲スチロールの畳床に輸入品の畳表をホッチキスで止める化学畳と呼ぶ今どきの畳。作業がしやすく、コストもかからない。しかし古畳の焼却処分時にダイオキシン等化学物質が出て、リサイクルもできない途方もない枚数の使用済みの畳をこれからどうするつもりなのか。磯垣タタミ主人磯垣昇は憂鬱になる。本来の畳は、藁の畳床に板を入れ、畳表を縫い付け、手でまつって作る。古くなれば田畑に戻せばよかった。藁やイグサなど自然素材だから呼吸をし、湿度を調節してくれていたのだが、化学畳ではそうはいかない。畳に使用される防虫剤や防腐剤は、身体にもいいはずはない。
そんな中で磯垣タタミが考案、特許を持つ炭化コルク畳床のコルタ畳は、水分を調節し、ダニ抑制効果、断熱性能を持ち、焼却や田畑に戻すことも可能な、藁床にかわる優れた素材だ。近年、健康住宅ブームで自然素材が見直され、コルタ畳にも注目が集まり、京都府デザイン賞エコロジー優品認定を受けた。
また、伊勢神宮などの神社の御神座や、京都御所の厚畳など特殊な場所で使用されてきた有職畳。その約85%が京都市内で生産され、装束店や仏具店から全国に納められているが、有職縁や紋縁などの伝統的な畳の縁を使用して常時加工する畳店は京都でもわずか数店鋪しか残っていない。創業80余年になる磯垣タタミはその中の貴重な1軒である。
化学床を使い、輸入畳表に頼らざるを得ないために必然的に畳職人の技は忘れられ、失われていく。こんな現状を残念に思い、最高級藁畳をはじめ虚無僧笠、浪人笠、流鏑馬笠等特殊イグサ製品や有職畳等をがんばって努力し、昔ながらの技を次の時代まで絶やさないこと、これが磯垣タタミの最大の目標である。

写真1:有職畳を加工できる職人は京都でも数少ない
写真2:コルタ畳
写真3:コルタボード畳

021

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地場の特性を愛し、
知り尽くした老舗の味。
味噌業ひとすじの、
西の京の味噌

株式会社 本田味噌本店

●本店 〒602-0904 京都市上京区室町通一条558
 TEL:075・441・1121/FAX:075・431・4110
 http://www.honda-miso.co.jp

店の成り立ちは、天保年間、丹波杜氏の流れを汲む初代・丹波屋茂助が、禁裏御所の御用達として、宮中のお料理用に味噌を献上したことに遡る。以来、京の風土に確り根ざした生業であったが、時に明治維新、東京遷都に際し、界隈の多くの店が、東へお供をするか、それともこの地に留まるか、の選択を迫られた。本田味噌本店がこの地に留まった理由、それは味噌が地場製、風土が“醸す”もの、すなわち醸造品であるから。味噌は一に原料、ニに“水・空気・気温”。その本質を守り、代々この地でしか生まれない味噌を造ってきたからである。これを機に店は、一般への販売に商いの形を変えた。家伝の白味噌は、東の京に対し西の京の意から「西京白味噌」と命名された。地場を代表する銘柄となって久しい。
現在、味噌業者は全国で約1600。仮に一軒に5種の商品があるとして、5×1600=8000種の味噌がある計算だ。味噌は本来、ワインやチーズ同様、一つ一つがそれぞれにオリジナルで、ユニークな個性をもつもの。各地に郷土料理と地酒があるように、土地に合う味噌、といったものが、ある。そこに割り込むつもりは、ない。ものにはそのもののもつ特性がある。それを大切にすることが、商品を守り、育むことになる。
ひと昔前なら当たり前だった、ごはんと味噌汁、そして家族揃っての食卓の光景  そういったものが大きく姿を変えた今、たとえば、即席の手軽さを本田流に解釈して生まれたのが「一わんみそ汁」。
一見、最中のような、愛らしいデザイン。まずもって生味噌の「重さ」を軽々とクリアしている。普段使いや贈答品に好まれる理由である。老舗の生味噌にこだわらない、柔軟さと現代性が生んだユニーク商品だ。
人の口に入るものは、もちろん、味が第一。だが、商品そのものは語らない。黙して語らず、の商品に代わって私たちに語りかけてくるもの、それが店の「暖簾」であり、商品の「デザイン」ではないだろうか。老舗の味噌屋は、鋭い近代経営感覚でもって、人々が本当に必要とするものを確りと見据えているのである。

写真
京味噌揃え
(蕎麦みそ・山椒みそ・
甘鯛[ぐじ]みそ・鳥みそ
一わんみそ汁[とうふ] )

024_1


007

陰もまた灯りの効用
照明器具を通して
日本の精神文化を
問い直す

和びデザイン

●〒603-8801 京都市北区西賀茂下庄田町4-33
 TEL:075・493・2941/FAX:075・493・2941

日本の美意識は陰影を重んじる。日本人は昔から自然の光を障子や簾でやわらげ、ひさしをとって影をつくり出し、光と対立することなく、うまく暮らしに取り入れてきた。何もかもくっきりと照らしだすのではなく、ほのかな、あいまいな、柔らかさを好んだ。陰は闇ではない。そこには密やかな安息や、秘めごとや、情緒があった。一方、工場の照明として考案された蛍光灯。作業性を重視してすべてを均一に照らし出すただの照明、灯りではないと、和びデザイン代表水野美代子は言う。彼女は暮らしをすべて同じルックスで照らし出す必要はないと言う。気分を落ち着け、広がり感を生むほのかな灯りがあってよい、と。灯りはものを照らすだけではない。陰をつくることもまた灯りの大切な役割である。大手電器メーカーで仕事をしていた彼女は、照明の、明るさや器具そのもののデザインより、光のあり方や陰影の大切さに気づいていた。ただ明るくすればよい、ということに疑問を覚え、自分で「灯り」といえるものをつくり出す。要は使い分けることが大切なのだ。作業する部屋は蛍光灯でよい。食事をする部屋や寝室には白熱灯のやさしい光を。勉強部屋には、机は蛍光灯、部屋の隅に白熱灯をひとつ。それだけで目にも、精神にもからだにも安らぎが与えられる。光にも癒しの力があるのだ。和びデザインの灯りは、そんな光の作用をきちんと理解した上で今でいうライトセラピー的な考え方で製作されている。照らすだけが目的でない灯り。灯すことで存在価値を持つ照明器具。それらはあたたかさをひとつひとつ灯していくようなやさしい光を放っている。そのものだけでなく、周りの空間を美しく、穏やかに浮かび上がらせ、また静かに眠らせる。生きていくために何が必要かを真剣に選択しなければいけないこの時代にあって、和びデザイン水野美代子がつくり出す灯りは、生き方や暮らし方も含めて現代人に問いかけている。

写真右
 和と洋を融合させた空間の演出
写真1
 玄関先を演出する灯り
写真2
 和びデザインギャラリー(一部)

027_2

008

技ではなく
文化として、
心に生きる
伝統

株式会社 半兵衛麩

●本店 〒605-0903 京都市東山区問屋町通り五条下ル上人町433
 TEL:075・525・0008(代)/FAX:075・531・0748

創業は元禄年間、三〇〇有余年、半兵衛麩は11代続く老舗である。この国では京都から始まった麩、この製造もまた技である。
半兵衛の麩はふつうのものとは違い、膨張しようとするグルテンの素材の性質をあえておさえ、なめらかな食感を出すという。しかし、この麩づくり、「一子相伝」というわけではないらしい。先代は「時代に合わせて変わっていかなあかんのに、技を教えても意味がない。麩づくりは研究するもの」と、息子に技術的なことは何も伝えなかった。「老舗といっても老いた店になってはいけない。老いたら死を待つだけ。代々続いているといっても一代ずつ、新しい店のつもりで店を守れ」という理由からだ。同じ麩の商いをしてもその時代に合わせ、その世代のものが研究、努力、精進せよ。父は子に麩づくりについては一切語らず、折りあるごとにただ商売の本質や人としての生き方を教えた。同じことをするだけならただの伝承でしかない。時代に合わせ、受け継いできたものを置き換えていくのが伝統である。その教えを守って現当主は今の時代に合った商品を考え、現代の食生活にも通用する麩をつくることで半兵衛麩の暖簾を守っている。商品のパッケージのデザインも自らが手がける。人にまかせるのが嫌なのではなく「自分の娘が嫁に行くのに、自分の手でこしらえをしてやりたい」という親心と同じだ。「不易流行」本質をかえず、常に世の中の流れを見て対処せよ。自信のある麩以外出荷してはいけない。先人が暖簾とともに残してくれた信用と技術を基本に、儲けるために麩をつくるのではない、おいしい麩を、お客さまに喜んでもらえる商品をつくることが半兵衛麩の商である。かたちとしてではなく、受け継がれる「こころ」に、半兵衛麩の伝統を見た。

写真1
梅麩、ひさご麩、
糸かけ手まり麩

写真2
京麩シリーズ

写真3
麩・ゆばシリーズ

030

009

コミュニケーションを
文化に高める、
福井朝日堂の
こだわり

株式会社 福井朝日堂

●本社
 〒604-8082
 京都市中京区三条通麩屋町東入弁慶石町40
 TEL:075・231・8291(代)/FAX:075・231・8294
●東京営業所
 〒111-0056
 東京都台東区小島2丁目9番2号
 TEL:03・3861・3018(代)/FAX:03・3851・2465

都が京都にあったことによって、日本人の美意識は育まれたのだという。四季折々の美しい自然と盆地特有の微妙な気候の変化。それが織り成す自然の色彩や香りを取り入れ、文化にまで高めた日本人独特の感性は京都の地で花開いた。花鳥風月に彩られた美しい日本の自然。それらを独自の意匠で様々な工芸品に昇華し、また詩歌や文などのコミュニケーションの手法をも風雅の境地まで導いた。たとえば封を切れば、こぼれる花びらにほのかな芳香…。今に伝わるおくゆかしい日本の心である。
福井朝日堂は明治33(一九〇〇)年の旧郵便法の改正後に初めて私製絵はがきを世に出した原色版絵はがきの元祖である。以降、カラー印刷、金箔、銀箔、浮き出しなど特殊印刷の先鞭を付け、高付加価値印刷による紙工芸品の老舗として現当主で5代目、百有余年の歴史を有している。京都に伝わる美しい絵巻や屏風、国宝級の障壁画などをミニチュア複製し、絵葉書やグリーティングカードという身近なものによって、千年の都で育まれた日本の美意識を現代人の心に呼び覚まし、同時にその商品を橋渡しに世界中の人々に日本の文化や芸術を紹介する。
京都本社三階の展示堂に一歩足を踏み入れると、そこに広がる驚くほど多岐にわたる福井朝日堂制作の商品は、まさに小さな宇宙と表現されるにふさわしく、また最高のクオリティーを追求するこの会社の一途なまでの熱意と姿勢が感じられる。福井朝日堂の単に原本を複写するのではなくきちんと複製をつくり、そこから版を起こして印刷するというこだわりが、それを単なる商品ではなく、アート、文化として存在させている。
こだわりかたもオリジナルの複製をつくるだけにとどまらず、原紙も止め柄の特別紙を誂え、本物に忠実に、印刷コストより品質を重視する。制作ロットも小さいが絶版には決してしない。普通に考えれば非効率的なことを敢えて行う。その違いがわかるからこそ日本国内はもとより海外でも高い評価を得ることができるのだ。良さをわかってくれる人が買ってくれればよいと、京都らしいともいえる誇りをもって大量生産品とは一線を画す、老舗ならではのものづくりである。いにしえの人々が愛でた、その雅びやかな世界を福井朝日堂は今を生きる人々にも楽しんで頂きたいと考えている。

写真1
名画屏風と和風グリーティングカード

写真2
日本の心を伝える商品の数々

写真3
豪華絢爛な和風ステーショナリー

033

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女性の夢を
かなえる
クオリティと
デザイン

株式会社 ワコール

●〒601-8530 京都市南区吉祥院中島町29
 TEL:075・682・1006/FAX:075・682・1138

一九四六年六月十五日、創業者塚本幸一は戦地から復員、帰京したその日をワコールの前身和江商事の創業日とし、「生かされた生命」を生かすべく、装身具卸の仕事に没頭する。一九四九年、ブラパットとの出合いがワコールの運命を変える。「女性の洋装に不可欠な下着は、大きな将来性が期待できる」と、婦人洋装下着への業務転換を決意、戦後の物資不足による苦難の時代にブラパットからガーターベルト、ブラジャーの自社製作に乗り出していく。技術や素材、工場など数々の問題を切り抜けながら、ここからワコールの歴史が始まるのである。ワコールの歩みはそのまま戦後の洋装下着の歴史、女性ファッションの歩みである。「女性のいきいきとした美しさを応援する」企業として、フロントホックブラ、シェイプパンツ、グッドアップブラ、マシュマロブラなど次々と話題をさらう新製品を開発。下着のトップブランドとして常に女性たちに夢を与え続けてきた。ものづくりにととまらず、商品開発の基盤となる研究部門(現人間科学研究所)による人間工学的アプローチから理想的なプロポーションの指標となるゴールデンポロポーション、世代別の美の基準を示すビューティフルプロポーション、さらに新しい美の指標ゴールデンカノンを発表。美しさのあり方を示すことで女性たちの憧れを具現化した。一方で一九七八年には財団法人京都服飾文化研究財団を設立、生活文化や服飾文化、そして美の文化にも寄与している。より美しく、快適に、健康に。ワコールが提案するランジェリーやファンデーションは機能性はもちろん、心を満たす高級感や本物感を備え、装う歓び、美しくなっていくときめきを与えてくれる。一九九九年には創立50周年を記念して「からだの夢」シリーズを発売。いま、からだもこころも解き放たれた女性たちは、またひとつ自由という贅沢を手に入れた。

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